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受験生必見!医学部受験の地域枠の闇[現役医大生が解説]

医学部を目指してるけど、地域枠の実情を知りたい!一般枠との違いとか、どういった人が地域枠を利用してるかも合わせて知りたい。

本記事ではこのような疑問を解決します。

 

・地域枠とは
・地域枠の実態(主にデメリット)

・地域枠のメリット
・地域枠がオススメの人
この記事の筆者は現在地方国公立大学に通っている大学生。先輩の実話・大学内で受ける説明・実態・体験をもとに医学部に関する情報を発信しています。

 

医学部に興味を持ち、「医学部」と検索した時にふと「医学部 地域枠 闇」というキーワードに引っかかったことは無いでしょうか?

医学部ブームが続く現在医学部に入学するためにいかなる手段を使っても合格したい、と思う方もいると思うので、今回は僕が感じた医学部の地域枠の見解について考えたいと思います。

早速見ていきましょう!

地域枠とは(読み飛ばし可)

そもそも「地域枠って聞くけど、実際にはどういう枠かはわからない」という人向けに軽く解説します。

 

まずは定義から。

医学部地域枠推薦(いがくぶちいきわくすいせん)とは、僻地の医者不足を解消するため各地方の国公私立大学医学部医学科が設置している推薦入試枠のことである
(引用:Wikipediaより

要するに、「地域医療が人手不足だから、地域で働いてくれる医者を募集しますよ」っていう枠になります。

 

地域枠と一般枠は、入試から入学後の生活での違いはありませんが、卒業後の進路の「選択肢の違い」が時折問題になります。

ここからは地域枠のメリット・デメリットについて解説してきます。

地域枠の実情(主にデメリット)

地域枠は時折「現代の奴隷制度」といわれることがあります。

これこそが「地域枠 闇」といわれる理由であり、問題になっているポイントです。

 

具体的な理由はずばり

特定の地域での働きを強制される
・将来の科を決められてしまう
・地域枠で入ったら、変更ができない

この3つが当てはまります。

 

1つずつ解説していきます。

特定の地域で働きを強制される

これは地域枠であればほぼ必ず適応される条件になります。

 

普通、医学部を卒業した時には自分の行きたい県、行きたい病院にマッチングをしていくことができます。
例えば首都圏出身の生徒が地元に帰ったり、人気のある病院を希望したりと「自分の望む希望を実現できる」環境を持てます。

しかし、地域枠で入学した生徒に関しては、県が決めた医療機関に配属されてしまいます。
ここでいく配属先と、一般に人が集まらない辺境の地だったり、人気がない市町村が多いです。

地域枠自体「僻地の医師不足の解消」を目的としてるので、目的にはあっていますが、忙しさや場所を選ぶ自由が減ってしまうのが実情のようです。

 

ただ、地域枠といっても、条件を満たす病院の中からは選択できることも多いようなので「配属先は絶対にここじゃないとダメ」というわけではないようです。

 

 

ここで反論として医者になれれば何でもいい、お金がもらえればよくない?といった反論が考えられます。

確かに、医者になるためには医学部に合格しなければならないし、入学できれば大学から月々に十万円程度のお金をもらえます。

しかしその反面、自分の選択ができません。文字でみると大したことがないように感じますが、6年生の時期になると重くのしかかってくるのが現状のようです。特に20歳前後の決断が人生の大きくかかわってくるのでこれがしんどい、といった先輩方が多かったように感じます。

一番厳しいのは、その期間の長さです。一般的に地域枠の人はこれらの条件下で9年間働かなくてはなりません。仮に現役でストレートでいってもこの縛りがなくなるのは34歳です

結婚や出世などの人生の大きな節目となるこの時期の縛りが人生を左右するため、地域枠はおすすめできないです。

 

将来の科を決められてしまう

手錠

この縛りは特に東京などの首都圏で見られます。

 

「将来の科の強制」は文字通り、大学卒業後の専門をきめられてしまう縛りです。

一般枠は、大学6年間の学生生活を終えてから、2年間の「初期研修」ですべての科を回ったうえで自分の興味のある専門を選ぶのが普通です。

 

「△△医を目指してたけど、辛すぎて無理」
「意外と○○科が面白い!!」

というのはよくある話のようですが、地域枠(主に首都圏)では専門医が入学時で決まってしまいます。

 

医学部に入学し、まだどの科が何をするのかすらわからない状態で将来の科が決まるのはとてもプレッシャーがかかるだけでなく、医師になってからの道筋を強制されることになります。

実際に強制される科としては、小児科や産婦人科が多いです。

この2つの科は特に人気がないため医師数が少ないのが現状です。
また、小児科や産婦人科は訴訟リスクの高さや労働環境の過酷さから避けられることが多いようです。

 

もちろん小児科や産婦人科で医療を提供している方々は尊敬していますし、いなければ医療が成り立ちません。
また、実際に専門医になったら適性があった、とか「将来は絶対に小児科になる!!」と決めている人もいるので、一概には言えません。

 

でも「選択肢が狭まる」と点でオススメしない理由に挙げています。

 

地域枠で入ったら、変更ができない

一本道

この条件も地域枠をお勧めできない理由となっています。

 

地域枠の条件として多いのは、「卒業後9年間は大学・県の指定した医療機関での医療を義務付ける」こと。

現役生でも、この条件から解放されるのは最速で33歳。

この9年間の縛りを18歳~20歳の学生が決断できるか、というのが問題になっています。

 

この問題は根本的には「地域枠を理解せずに入学する学生が悪い」のですが、18歳そこらの学生が33歳までの働き口を決めること自体にも問題があると思います。

 

地域枠からの変更はできるか(99%無理)

この地域枠ですが、実は以前までは抜け道がありました。

それは、もらった奨学金を返納することで地域枠の条件をなくすというものでした。

地域枠では、本来授業料免除や給付型の奨学金を受け取ることができますが、利子をつけて返金することで地域枠の条件を取り消すことができていました。

しかし、そのことが問題で地域での医者や専門医が不足したことを受け、この抜け道はなくなってしまいました。

具体的には地域枠出身者の受け入れをした県外の病院には補助金を減らすという国からの声明が出たので事実上「地域枠は取り消せない」状態になっています。

そのような背景からも地域枠に入ることは覚悟が必要なことであり、おすすめできない理由となります。

 

とはいえ、地域枠にもメリットはありますし、その恩恵を受けたくて自分から地域枠を選択する人もいるので、以降は「地域枠のメリット」について解説していきます。

地域枠のメリット

メリット

地域枠のメリットはざっと

・入試難易度が若干低い
・給付型の奨学金がもらえる(+授業料減額も)
この2つです。

1つずつ解説していきます。

入試難易度が若干低い

地域枠は一般枠と比べると合格最低点が低い傾向にあります。

これは、自分が受験したい大学の赤本を見るといいと思いますが、大体地域枠の難易度が低いのではないでしょうか。

地域枠の生徒が入学しやすい背景には先ほどの「デメリット」で説明した「選択肢が減る」ことを嫌がる学生が多い、というのが背景にあるようです。

給付型の奨学金がもらえる(+授業料減額も)

返済不要の奨学金がもらえる、これが地域枠の最大の魅力です。

具体的には「入学後毎月10万円から20万円の支給を6年間もらえる」ことが多いようです。
これを数値化すると、6年間で720万円から1440万円ほどを学校から受け取れることになります。

使い道で多いのは、生活費や娯楽に使われることが多いようです。

地域枠をとっている学生の特徴

ざっと

・医学部への合格率をより高めたい人
・浪人などで、お金に余裕がない人
・もともと地域医療に従事したいと思っている人

このあたりです。

 

僕の経験をもとに解説すると、一番多かったのは学力的な理由。

「どうしても合格したかったから地域枠にした」

こう語る人が多かった印象です。

 

ただ、合格点を見ると合格最低点は地域枠のほうが低いものの、最高点が地域枠のほうが高い、なんてこともあるので実際はピンキリですね(笑)。

給付金目的で地域枠をとってる人は多浪生が多い印象でした。
現役生で地域枠の方もそれなりにいましたが、医大生自体、親が医者のパターンが多い(笑)。

地域枠がオススメの人

男性が手を広げて海を見ている様子

結論から言うと「学力的な問題を抱えていない人以外」は地域枠をオススメしません。

 

「え?給付金をもらいたいんだけど…」

という人もいると思いますが、たいていの場合

1.一般枠でも後から地域枠に切り替えることができる
2.病院を指定すると奨学金をもらえるケースがある
3.利子が低めの奨学金を借りる選択肢もある(学生支援機構など)

があるので、初めから「給付金が欲しい=地域枠」で考えるのはもったいないです。
学生支援機構についての説明は省略しますが、1,2番については医学部に特有なので解説していきます。

 

一般枠でも後から地域枠に切り替えることができる

これは僕が医学部に入学した後に知ったことです。

この制度は文字通り、一般枠で入学した後に「地域枠」として奨学金をもらう制度です。

 

地域医療は常に医師不足なので「地域で働きたい人大歓迎!」のスタイルです。
なので、自分から地域で働きたい、という意志は尊重してもらえるので、給付金が欲しくなったら地域枠に変更することもできます。

僕の知り合いは「1年間生活してみて、金銭的な問題や地域医療の知識を持ってから地域枠にしたい」という考えで、1年後に地域枠に切り替えました。

 

基本的に、地域枠の縛りは「奨学金をもらった年数×1.5」の年月を縛るので、4年間借りたら6年間地域医療をすることになります。
なので、一般枠の生徒は後から地域枠に切り替えても、タイミングによっては縛りの期間を短くする、といった方法もあります。

 

こんな感じで後からの切り替えができること・応用が利くという「選択肢を持つ」ことからもオススメです。

病院を指定すると奨学金をもらえるケースがある

これは「卒業後この病院で働きます!」と宣言すると、その病院から返済不要の奨学金をもらえる、というものです。

奨学金を募集する病院は限られていますが、地元で働きたいと思ってた病院が奨学金を募集してた、ということもあるのでこの制度も紹介しておきます。

そして、この奨学金の額は病院によって違いますが、高いところは25万円/月などの高い援助を受けられます。

中には専門医の指定などの条件がある病院もありますが、大抵は医学部3年生以上が対象になるなど「医学についてある程度の知識がついてから選べる」というメリットもあります。

このことからも、初めから選択肢の限られている地域枠よりも自由度の高い選択ができると思います。

まとめ

選択肢

本記事では地域枠の実態について解説しました。

 

とはいえ、入学しないと始まらないというのは医大生の共通見解だと思います。

そのために地域枠を選ぶ人もいますし、地域枠で入学後に不自由を感じない人もいるので一概に「よくない制度」というつもりはありません。

ただ、地域枠で受験するのはこれくらいの覚悟が必要、という趣旨で記事を書きました。

 

「これを知ってれば地域枠にしなかった」

こんな後悔をする学生が減ることを願っています。