本記事ではこの疑問を解決していきます。
・対処法
・早めのうちに対策しよう(計画を立てよう)
本記事では、高校時代の経験や入学後の周りの姿を重ねながら「地方高校から医学部進学が難しい理由」について解説します。
そのあとは、「地方高校の勝算」について解説していきます。
この記事を読むと、
②そのうえで今何をすればいいかが分かる
ので、医学部への進学を目指している人はぜひ最後までご覧ください。
では早速見ていきましょう。
地方から医学部が出にくい理由
まずは現状を把握していきましょう。
医学部に合格する、ということは受験生の中での椅子取りゲームに勝つことなので自分の環境とライバルの環境を把握すると「ほかの受験生との差」が見えてきます。
地方高校が医学部に進学しにくいな~、と感じたところは3つでした。
②医学部は全国大会+浪人生の数が多い
③刺激を受けにくい
この3つの中には「それは知ってる!」というものもある人がいると思いますが、体験談も踏まえて解説します。
1つずつ見ていきましょう。
①地方は学習進度がおそい(地方高校の現状)
地方の一番の弱点は授業が進むのが遅い、これに限ります。
例えば、首都圏の中高一貫校は高校2年生までに数学3が終わります。
一方で、地方では地域トップ校であっても、数学3が終わるのが大体3年生の夏明けごろ。
数学ひとつあげても半年くらいアウトプットに差が出ることになります。
この傾向は「理科」でも見られるので、理系科目では地方は結構差がでちゃうんですね(笑)。
高校時代の1/6,特にすべての範囲を学び終えたあとの期間の差は現役生にとってはかなりでかいです。
受験勉強はいかに早くインプットを終わらせて、演習を詰めるかで合否が分かれるので、この影響は無視しがたいですね。
僕の現在の友人で、九州の有名進学校に通っていた人がいたんですが、彼は
「物心ついたときには塾にいた(小学校四年生の時)」
「中学3年生の時点で青チャートやってた」
といってました。
いやいや、小学校の時とかドッジボールの記憶しかねえわ…
って感じの話があったんですが、
とにかくこんな環境の奴らが同じ大学を志望するのは、焦りますよね(笑)。
②医学部は全国大会+浪人生の数が多い
地方の国公立大学でも首都圏の学生が占める割合は5割を超えます。
しかも、学生の半分以上が浪人生___。
なんてことはザラにあります。
これが意味するところは、
②絶対的な学習時間では勝てないので効率的な学習が必要
こんなところです。
前章で「地方高校は学習の進度が遅い」って話をしましたが、アウトプットの時間・絶対的な学習量では圧倒的に不利な環境にいることになります。
もちろん、先取りしてるから絶対に学力が上がるとか浪人生は勉強ばかりしてるから頭がいいのは当然、というつもりはないです。
ただ、記憶の定着とアウトプットの時間を考えると学力が上がりやすい、っていう相関はあると思います。
医学部、特に国公立では「安さ」を理由に全国から名だたる高校の学生が受験してきます。
僕の大学では北は北海道、南は鹿児島まで幅広かったです。
(県や地方ごとに飲み会があるのは面白かったです(笑))
③刺激を受けにくい
これは通ってる高校や地域によってばらばらですが、「刺激を受けにくい」環境の人が多いのではないでしょうか。
具体的には、
・塾や講師、チューターのレベルが高くない
・周りに医学部を目指す学生が少ない・いない
・医学部の合格実績が少ないので、情報量が少ない
こんなところです。
例えば、首都圏には「東大・医学部志望」の生徒が集まる鉄緑会といった塾があります。
そこでは、多くの課題が出されたり、模試の結果が張り出されたり___。
こういった感じで「勉強しなきゃ…」と自分を追い込める環境があります。
それに比べて地方では、医学部志望の友達や高みを目指す友達がいない___。
勉強するにしても、映像授業を眺めて自分で独学する。
分からない問題があっても、塾の先生はわからないから本部にFXで解答してもらう(2~3日後に返信)。
こんな感じの人が多いのではないでしょうか。
もちろん「俺は絶対に医学部に合格したいんだ!!」という意志をもって勉強できる人もいると思いますが、勉強するまでのモチベーションが高くなかったり、焦りを感じにくい環境しかないのであれば、これだけで不利ではないでしょうか。
※鉄緑会は宿題の量が多く、その環境に耐えられずに退塾する人が多いようですが、「合格までのいい環境を提供してもらえる」という意味では有利に働くのではないでしょうか。
対処法
ここまで「地方高校」から医学部への進学が難しい、って話をしてきました。
地方高校の環境とほかの受験生の環境を見たうえで、これからは「どうすればよいか」について考えていきます。
考え方としては、
②お金で解決する→指定校推薦
③実力で勝負する→一般入試
がメインになってくると思います。
これ以降はそれぞれの戦略について考えていきたいと思います。
①浪人生や首都圏勢との戦いを避ける
地方高校の生徒が医学部に入学する方法で一番可能性が高いのはこの3つの方法だと思います。
- 推薦入試
- 指定校推薦
- (自治医大)
この入試方法は学校内で決まるので、ほかの高校や浪人生と競う必要がなくなるので、医学部にどうしても入りたいのなら活用すべき入試方法です。
オマケとして、自治医大を上げておきます。
自治医大は都道府県によって定員を決めていて「○〇県は2人」というように、自分が住んでいる都道府県民どうしの戦いになります。
自治医大の入試は所属している都道府県によって入試難易度ががらりと変わるので、一概にオススメできるわけじゃないですが、首都圏勢との受験はしなくていいのが魅力です。
受験は全国大会ですが、これらの入試は「県大会」まで難易度を下げられる点でオススメの入試方法です。
とはいえ、評定をとったり、ある程度の学力は必要になるので相応の努力は必要です。
※「推薦入試だと入学後苦労する」という逸話がありますが、現状については次の投稿で解説してます。
現在高校生で医学部で推薦を狙ってます。ただ、まわりの目を見ると推薦に対してよくない印象を持つ人が多いです。実際に推薦入試組は入学後にマイナスの印象を持たれますか? 本記事ではこのような悩みを解決していきます。 &[…]
②お金で解決する
指定校推薦は
この入試方法は学校内で決まるので、ほかの高校や浪人生と競う必要がなくなるので、医学部にどうしても入りたいのなら活用すべき入試方法です。
と説明しましたが、地方では指定校推薦をとる人はあまりいません。
理由は高いから。
基本的に指定校推薦をくれる大学は私立(特に地方だと中堅~下位)医学部ですが、私立の医学部はべらぼうに高いです。
例えば、一番安い私立医大でも6年間で2000万、高いところだと4000万を超えます。
これは、国公立の医学部が6年間で360万にくらべるとめっちゃ高いです。
「そんなに高いお金なんて払えない…」
「入試まで時間があるし、指定校推薦をとったら逃げ」
という理由から敬遠する人が多い印象でした。
僕自身も決して裕福ではなかったこと、4000万円も払う覚悟がなかったため、委縮したのを覚えています(笑)
ただ、医学部に入学すると「4浪した」とか「浪人したけど成績上がらなかった…」という生徒も多いので、自分自身の成績では現役合格が難しいとか、浪人したくないって人には選択肢としてはありだと思います。
※実際に入学した人の話によれば、地域の縛りや給付型の奨学金のおかげで実質負担額が500万円の人もみたことがあるので、興味のある人は調べてみるといいのではないでしょうか。
③実力で勝負する
医学部(特に国公立)で一番多いのは一般入試です。
「医学部に現役合格するのは難しい」といわれる理由は一般入試が関係しています。
この入試こそ「全国大会」であり、最低偏差値65の世界です。
とはいえ、「いい医学部に入学したい!」と思った人はこの世界で戦う必要があります。
僕の通っていた高校でも一般入試で旧帝大の医学部に合格した人をはじめ、医学部に筆記試験で合格した人もいるので結局は本人の実力次第、ってことになります。
この記事を読んでいる人の中には
「評定が低すぎて、推薦とるの無理(笑)」
「指定校とかじゃなくて、純粋に筆記で合格したい」
「推薦組と同じ大学は嫌だ!」
という人もいると思うので、別記事にて一般入試を勝ち抜くための勉強法について解説します。
ここからは「今からどうすればいいか?」についての解説になります。
早めのうちに対策しよう(計画を立てよう)
今からすべきは「自分がどこの大学にどうやって入りたいか」を決めることです。
「地方の医学部に推薦で入りたい」なら、今からは学校の定期テストを全力でやるべきだし、「一般入試で○○大学に入学したい」なら、その大学の傾向を掴んだうえで赤本だったり、頻出の分野の勉強に取り掛かるといいと思います。
要は「ゴールから逆算しろ」ってことですね。
これはいろんなところでいわれてることですが、実際に高校3年生で評定が3しかないと推薦は受けられないし、物理選択でしか受験できないのに生物をとってた、なんてことも起こりうるので「ゴールからの逆算」は大事です。
「生きたい大学が決まってない…」という人はとりあえず定期試験の点数を高く取っておくと選択肢が広がりますよ。
高校3年生になってから「一般でいいところ行きたい」ってなれば使わなくていいし、「浪人が怖いから堅実に生きたい」と思えば推薦が使える。
受験期はセンチメンタルになるので、選べるだけで安心できるところがあるので。
では、医学部合格を目指して頑張ってください。