現在、受験業界やネットを騒がせている「共通テストSNS流出」について、元受験生・元家庭教師の筆者が解説していきます。
・本件に関わった大学生について
・カンニングについて
共通テスト流出の流れ
ざっくりまとめると、
という話です。
家庭教師マッチングサービスに登録していた大学生が高校2年生と偽られたことで起こった事件ですが、本記事では元家庭教師経験のある筆者の体験談などをもとに東大生について解説していきます。
詳しい状況は
【読売新聞】 今月15日に実施された大学入学共通テストの世界史Bの問題が、試験時間中に流出していた疑いがあることがわかっ…
で解説されています。
次からは本件の大学生について解説していきます。
大学生(家庭教師側)も被害者では…?
個人的には、大学生(家庭教師側)も被害者だと感じてしまいます。(法律的にはわからないが)
理由としては
・競争心を煽られていたこと
・依頼者が高校2年生だという前提があったこと
が挙げられます。
少なくとも通報していること
一番はこの情報ですね。
本当に加担しているのであれば通報する理由はないですし、むしろ隠ぺいするはずです。
この段階で既に故意ではないことが分かります。
大学生(家庭教師)も「高2」と偽られていることも含めて、被害を受けていますよね。
競争を煽られたことで判断力が落ちたのでは?
「家庭教師を通じてアルバイトしたい」
大学生で家庭教師をしたいと思う学生のほとんどは、アルバイト目的の人が多いです。
もちろん、「教えることが好き」という学生もいると思いますが、ついでにアルバイトがわりにしたいと思う学生も多いと思いますが…。
家庭教師の場合、家庭教師を依頼する側とのマッチングをするのですが、まあ倍率が高いです。
家庭教師の依頼を紹介サイトに出されると、該当する「家庭教師候補の学生」に一斉にメールが送られます。
その中で家庭教師を持つのも簡単じゃないのが現状です。
特に共通テスト前後は依頼が増えて競争も激化するという現状もあります。
※本件の家庭教師紹介サイトは僕自身使ったことが無いので、憶測になりますが、一般的な家庭教師紹介サイトの繁忙期での現状を書いています。
高校2年生という前提があった
家庭教師紹介サイトで先生側が見れる生徒の情報を疑う人は基本いないと思います。
「この生徒は本当に高2なのか?」
このように疑う人のほうが変だと思います。
教師側は大学名や学歴によって給料が変わることがあるので、学生証を提示したりと確認がありますが、生徒側が嘘をつくメリットは基本ないです。
特に顔を合わせる前の状態ですから、確認できなかったのだと思います。
僕も以前家庭教師をやっていたのですが、事前に知らされた生徒情報は全く疑ってませんでしたね(笑)。
自分が家庭教師側だったらどうしますか?
事前情報を整理すると
・自分が依頼者を探している
・難関大志望
・実力を試されている
という状態です。
特に共通テスト本番中での出来事ですから、時間制限を設けて「○○分以内に答えをください!」などの指示が出ていたと思います。
実力を知りたい、という生徒側からの要望があったので
「この時間内に解き切らないと実力不足だと思われるかも…」
というプレッシャーも家庭教師側にあったと思います。
難関大学志望なら共通テストっぽい問題の対策を2年生からしてても不思議じゃないですし、高2なら共通テストを受験しているという可能性も考えないのではないでしょうか?
自分が同じ立場だったら__。
自分も同じように疑いを持たず、回答を渡してしまっていたと思います。
だからこそ、今回の大学生は不憫に感じてしまいます。
皆さんならどのように行動したでしょうか。
共通テストって気づけたんじゃないのか?
Twitterでの反応を見ていると
「共通テストの日だったし、時間的に気づけたのでは?」という人もいましたが、
某大手予備校では「同日体験模試」のように同日中に試験問題を入手して、共通テスト当日中に共通テストの問題を解く、ということもしています。
共通テストが終わった後は、共通テストの問題が出回りますし、
家庭教師側としても試験時間を細かく覚えている人は少ないのではないでしょうか?
9時スタートの60分のテスト問題なら10時30分頃には十分にテスト内容が広がりますし、ましてや、自分がカンニングの手伝いをしているとは思わなくですよね?
以降は憶測ですが、
本件に関わった大学生がセンター試験世代なら、問題を見ても共通テストだとは思わないと思います。
センターの過去問かな?くらいの認識の可能性もありましたし。
いずれにしても、違和感に気づいて通報した点は素晴らしいと思います。
電子機器の使用でのカンニングが増えている
近年のセンター試験・共通テストでは電子機器を使ったカンニングが増えています。
今年もスマホでのカンニングが見つかっていますし、有名な話だと京大数学でのカンニングや同志社大学入試でのカンニングなどがあります。
最近ではスマホをはじめとした、パッと見ではわかりずらいウェアラブル端末などもあります。
「カンニングなんて見ればわかるだろ」
という人もいると思いますが、試験官としても100%不正を見抜けるほど訓練されている人なんていませんし、ひとりひとりをずっと確認できているわけではないです。
特に先述したウェアラブルデバイスなどの知識を把握できているわけではないので、以前のようなカンニングペーパーの持ち込みよりも不正を暴きにくくなっているのは事実です。
カンニングをすると「偽計業務妨害罪」になる可能性がある
本件のカンニングをした生徒は「偽計業務妨害罪」になる可能性があるようです。
【速報】大学入学共通テストの試験中に問題流出か 警視庁が捜査 https://t.co/R0KyEZoueM
— テレ朝news (@tv_asahi_news) January 26, 2022
偽計業務妨害罪になると逮捕される場合があるようなので、カンニングって怖いですね。
本件は事件がまだ「捜査」の段階にあるので、被疑者の状況やほかの人の介入がなかったかなどをしっかりと調べてほしいと思います。
いずれにしろ、大学入試は多くの受験生が受験し、人生に関わってくるイベントだからこそ、自分の力で頑張ってほしいと思います。
まとめ
本記事では「共通テストSNS流出」について解説しました。
この件に関しては、今後の受験生の不安・不満をぬぐうためにも、詳しい調査・対策を講じてほしいと思います。
本件では大学生(家庭教師)による通報が皮切りとなってカンニング疑惑が発覚しましたが、もしかしたら立件されなかったらと思うとおぞましく感じます。
受験まで頑張ってきた受験生が自分の実力で合格を勝ち取れる試験制度をより厳格にしてほしいと思います。
この一件で、「カンニングに加担している可能性」に関する考え方が変わった人も多いと思います。
今後は二次試験を受験する学生が多いと思いますし、教師側に立つ人もより一層「カンニング」を警戒してほしいと思います。
yahooの知恵袋に出された質問を答えただけのつもりでもカンニングに加担している可能性もありますし。
ネット時代の弊害ですが、こういった悩みのタネがなくなることを願っています。