こんにちは、Shinです。
最近、大学の勉強で精神医学を学んだのですが、勉強の最中に
「この描写どこかで…」
と、ふと思うところがありました。
そして何気なくYoutubeを見ていると、その違和感の正体が分かりました!
それこそ、イナズマイレブン2にメインキャラクターとして登場する吹雪士郎です。
本記事では、そんな吹雪士郎くんを医学的な観点から見ると何が見えてくるのか、について解説していきます。
「なんかバカなこと言ってんな~」
位の感覚で読んでいただけると幸いです。
では早速見ていきましょう!
吹雪士郎のキャラデザについて
吹雪士郎はイナイレシーズン2にて登場したキャラクターですが、
脅威の侵略者編において、「地上最強のイレブン」を求めて全国を回るイナズマキャラバンが北海道エリアでスカウトした選手。
「熊殺しの吹雪」の異名を持ち、非常に高い能力を誇るキャラクター。
その実態は温厚で大人しいDFの「士郎」と攻撃的で激情家のFW「アツヤ」の二つの人格を抱える二重人格キャラだった。
「完璧」という言葉に異常にこだわり、「完璧なプレー」を実現できないことに苦しむ姿を見せる。
それには両親と弟を失った過去の悲劇が関係していた。
やがて仲間たちとの出会いと触れ合いを通し、彼は苦悩を克服していく。
(引用:吹雪士郎とは)
といったキャラクターになっています。
吹雪士郎は、性格が穏やかでどちらかというとモジモジ系。
アツヤはオラオラ系で、一人で突っ走る性格が特徴です。
外見の違いは士郎は髪が下りていて瞳の色は水色、アツヤは髪が逆立っていて瞳はオレンジ色なのが特徴です。
上が士郎、下がアツヤです。
吹雪士郎の抱える精神疾患について
作中に登場する吹雪士郎くんの言動から考えられる病状は以下の2つです。
・解離性障害
1つずつ見ていきましょう。
PTSDとは?
PTSDとは、以下の定義になっています。
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。
吹雪くんは作中で雪崩に巻き込まれて、自身の家族が亡くなり、自分も死に直面する場面が描かれました。
作中の中でも
・雪崩を見ると異様に震える
といった描写からも吹雪くんがPTSDになっていることが分かります。
PTSDには
・再体験…雪崩を思い出す
・過覚醒…音に過剰に反応する
・回避…雪崩や落雷から逃げようとする
3つの描写がありましたが、これらもPTSDの症状そのものですね。
解離性障害とは?
女性に特有の疾患との誤解から子宮に原因があると誤って信じられていた頃と異なり、現在ではヒステリーではなく、解離性障害と身体表現性障害に分類されます。
(引用:ストレスクリニック)
PTSDと同様に、心理的外傷を理由に自己防衛として起きる精神障害です。
吹雪士郎を語るうえで欠かせない「アツヤ」とは、自己防衛で生まれたもう一つの人格という位置づけになります。
自己統一性が失われる状態に吹雪君は人知れず苦しんでいたのかもしれません。
当時、イナズマイレブン2をプレイしていた僕は、
「ディフェンダーとストライカー両方できるとかお得じゃん」
と思っていましたが、思ったよりも根は深かったようです。
作中で病気を克服した方法について
イナズマイレブンの本編では
②仲間との一体感を実感
③自分の過去と向き合えた
の3ステップで、見事覚醒を果たしました。
自分の過去を清算しつつ、新たな一歩として踏み出した「ウルフレジェンド」は見ごたえがありましたね!
話を戻しますが、現在のPTSD・解離性障害の治療では、第一選択として抗うつ剤を飲ませることが推奨されています。
薬以外には、
・心理教育
・認知行動療法
といった小難しい心理社会的療法が用いられます。
ですが、どれも根幹の治療にはならず、どれも症状を抑えるのがやっとです。
それに比べて…やっぱり豪炎寺さんは凄いですね!
難しいことは考えず、自分の全力のファイヤトルネードでそんな病気を完治させてしまったのですから。
立向くんはそこまで見越して
「やっぱり豪炎寺さんはすごいや!」
と言っていたのかもしれませんね。
豪炎寺…お前もう精神科で働けよ
こう思わずにはいられないエピソードでした。
作中での一番の問題人物について
そんなファイヤトルネード療法が功を奏したイナイレでしたが、作中には問題人物が存在します。
その人物は…吉良瞳子監督ですね。
この監督は作中でも
・気づきを与えることを大義に教育的指導を放棄
・生徒の安全よりも試合での勝利を優先
とやりたい放題で、当時イナイレを見ていた人でもイライラした人は多かったのではないでしょうか。
そんな瞳子監督は、PTSDと解離障害を発症した吹雪くんを休ませない・旅に同行させるといった強硬手段を取り続けました。
瞳子監督がすべきことは、吹雪君を病院に連れていき病状を理解させたうえで、北海道で療養させることでした。
教育者としては0点の行動をとり続けた瞳子監督。
豪炎寺先生がいなければどうなっていたか…
(ちなみに解離性障害での運動療法は推奨されていません)
本記事のまとめ
本記事では、吹雪士郎のかかっていた精神病と、豪炎寺先生の偉大さについて解説してきました。
ここまで散々書いてきましたが、小中学生にとって「二重人格」という設定は中二病心をくすぐる設定だと思いますし、精神的に成長していく吹雪くんに魅力を感じた視聴者も多かったと思います。
当時小学生だった筆者も、学校で「ヘブンズタイムごっこ」が流行っていたわけで___。
今では、イナイレの設定に疑問を呈するつまらない人間になってしまいました(笑)。
というわけで、本記事は終わりです。
ではまた!